ひきこもりのひとりごと

40代ニートの生態や思いを書いてます

きっかけ

決定的だったのは『ふう』の介護をしてるときですね

ふうってのはうちで飼ってた犬で

もう死んじゃったんですけど

ペキニーズっていう小型犬で

17歳くらいまでね、長生きしてくれたんですけど

そのふうが認知症になっちゃったんですよ、晩年

犬にもあるんですよね、認知症

そんなこと知らなくて

前からちょっと様子がおかしかったんですけどね

もう年ですし、老化のせいだと思ってたんですけど

なんのきっかけだったかな

獣医さんに言われたのかな

それでネットで調べたら

そこに書いてあった項目がほとんど当てはまってて

ふうちゃん認知症だったんだって

一番大変なのが鳴くんですよね

ぎゃーんて

小型犬なんですけど声が大きくて、ふうは

当時住んでたのは住宅密集地で壁も薄いですし

隣の家の話し声が丸聞こえっていう所だったんで

近所迷惑ですし鳴いてるのもかわいそうですし

でも起きてる間はずっとぐずってるような状態だったので

鳴きそうになったら抱っこしてあやしたり

歩けないですけど体を持ち上げて歩かせたり

ご飯食べさせたり薬飲ませたりして

でも薬もあんまり効かなくてね

薬飲むと寝るんですけどすぐ起きちゃったりして

それでまあ、ある時

自分当時オンラインのドラクエやってて

人と組んでたんですねその時

そしたらふうが鳴き出しちゃって

ふうが寝てる間にするようにしてたんですけど

起きちゃったんですね

それでふうは別の部屋にいて

自分は手が離せなくて

その頃は父親は定年して家にいたんですよ

母親はまだ働いてましたけど

それで父親が何とかしてくれないかって淡い期待もしてたんですけど

ふうはずっと鳴いてて

早くふうのとこ行かなかって焦ってて

ゲーム解散して急いで行ったら

どうしてたと思います?あいつ

お茶飲みながらただふうのこと見下ろしてたんですよ

なんにもしないで

ふうはキッチンで寝てて

あいつの部屋はその隣だったんですけど

だってずっと泣いてるんですよ

普通撫でてあげるとか抱っこしてあげるとかするでしょ

泣いてるふうをお茶すすりながら見下ろしてたんですよ

それ見て思ったんです

ああ、こいつとは絶対分かり合えることはないなって

前から嫌いでしたけどね

それで決定的になりました

だって17年も一緒に暮らした家族ですよ

なんにもしてくれなかったですよ結局

自分と母親二人でやってました介護

あいつね

ふうが小っちゃい頃に噛まれたことを根に持ってて

俺の事噛みやがってとか言ってたんですよ

ふうは小さい頃気性が荒くて

自分も母親もよく噛まれたんですよ

指血だらけになったりとか

今でも傷残ってますけど

でもそんなの子犬のころの話で

思い出じゃないですか

それをあいつはいつまでも根にもって

もうよぼよぼで長くないであろうふうにそんなこと言うんですよ

小っちゃい男ですよ

他にも

ふう寒がりで

ファンヒーターの前でよく寝てたんですね冬

そしたら背中の毛がちょっと焦げちゃったことがあって

そしたらあいつなんて言ったと思います?

俺はふうが死んでもなんとも思わないからいいけどって

信じられます?そんなの

人間じゃないでしょそんな奴

だからもう、その頃から自分にとってあいつは

ただただ軽蔑するだけの存在になったんです