ひきこもりのひとりごと

40代ニートの生態や思いを書いてます

生まれてきた

稀勢の里はかわいそうだ。

長い間優勝と横綱を期待されながら、それに応えられず、

それでも少しづつ強くなって、弱かった精神面も克服してついに優勝と横綱を同時に手にした。

それでも横綱に昇進させるにはまだ早いのではないか、もう一場所見るべきではなかったのかという意見も多くある中で、初めての横綱としての場所で初日から連勝を続け、稀勢の里は本当に横綱としての強さを身に着けたのだと証明して見せた。

しかし横綱とし初の黒星を喫した取り組みで大けがをしてしまう。

その後、けがを押して出場し続けての優勝はファンを大いに感動させた。

しかしその代償は大きかった。

素人目にも完治まで何カ月もかかるであろうケガが治りきらないうちに次の場所も出場し途中休場、その次の場所も途中休場し、ついに次の場所では全休しケガの回復に努めたのにもかかわらず、今場所の初日の敗戦、内容も悪く横綱になった時の強さは見られない。

今までほとんどケガなく来たのに横綱になったとたんに大けが、そして長い時間をかけて手に入れた強さをそれで失ってしまったのだとしたら、本当にかわいそうだ。

 

と思っていた。今までは。

 

でも今は、

「死ぬわけじゃない」

そう思う。

 

世の中には稀勢の里よりもっとつらい思いをしてる人がたくさんいるだろう。

死ぬよりつらい毎日を送っている人がいるんだろう。

多くのスポーツ選手がケガで輝きを失うのを見てきた。

ファンは自分の夢や想いを乗せ自分の事のように悲しみ、選手もファンの思いに応えられないことで苦しむのだろう。自分一人の体ではなくなるのだろう。

でも、死ぬわけじゃない。

 

「生まれてきただけですばらしい」とか「生きてるだけでまるもうけ」とか言う言葉をすんなり受け入れられなかったけど

世界中でもっとつらく苦しい思いをしている人がいることを忘れないようにしようと思った。

 

毎日「早く死ねたらいいのに」なんて罰当たりなことを考えている愚か者だけれど。